慣性モーメント換算ツール
このツールでできること
質量慣性モーメント I は、選んだ軸のまわりで回転速度を変えようとするときに物体がどれだけ抵抗するかを表します。モーターのカタログはロータ慣性を kg·cm² で、サーボ選定ガイドは kg·m² で示し、米国の駆動系データでは lb·ft² や lb·in² がよく使われます。このページは既知の慣性モーメントをこれらの単位間で換算します。扱うのは質量慣性モーメント(質量 × 長さ²)であり、はりの曲げに使う長さ⁴ 単位の断面二次モーメントではありません。
換算の仕組み
各単位はキログラム平方メートル(kg·m²)を経由して換算されます。表は 1 kg·m² に等しい各単位の量です。
| 単位 | 1 kg·m² に相当する量 |
|---|---|
| kg·cm² | 10,000 |
| kg·mm² | 1,000,000 |
| g·cm² | 10,000,000 |
| g·mm² | 1,000,000,000 |
| kgf·m·s² | 0.1019716213 |
| kgf·cm·s² | 10.19716213 |
| oz·in² | 54,674.750 |
| ozf·in·s² | 141.61193 |
| lb·ft² | 23.7303604 |
| lb·in² | 3,417.1719 |
| slug·ft² = lbf·ft·s² | 0.7375621 |
長さが二乗で入るため、接頭語の効果も二乗になります。1 m は 100 cm なので、1 kg·m² は 100² = 10,000 kg·cm² です。kgf·m·s² のような「力」を含む表記は、質量を力 ÷ 加速度に書き換えたもので、標準重力のもとでは質量ベースの単位と一定倍の関係になります。
計算例
質量 2 kg、半径 0.15 m の中実鋼製円板を中心軸まわりに回す場合、I = ½ m r² = ½ × 2 × 0.15² = 0.0225 kg·m² です。モーターカタログの単位では 0.0225 × 10,000 = 225 kg·cm²、米国単位では 0.0225 × 3,417.17 = 76.89 lb·in² です。
逆に、減速機のデータシートに 12 lb·ft² とあれば、23.7303604 で割って 0.5057 kg·m² になります。
結果の読み方
換算後の値は、角加速度に対する同じ抵抗を表します。トルク τ を加えたとき、どの単位で表示しても α = τ / I が成り立ちます。モーターと負荷を組み合わせるときは、慣性モーメントを必ず同じ単位で比較してください。kg·cm² と kg·m² を混同すると 10,000 倍の誤差が生じ、駆動系が極端に過大または過小に見えてしまいます。
精度と限界
- 慣性モーメントは特定の軸に対する値です。単位を換算しても軸は移動しません。軸を変える場合は平行軸の定理 I = I꜀ + m d² を使います。
- 歯車を介して換算した慣性は減速比の二乗に比例し、単位換算とは別の計算です。
- このツールは形状、密度、CAD データから慣性を求めません。すでに分かっている値を入力してください。
- 古い印刷物の表はヤード・ポンド法の係数を丸めていることがあるため、末尾の桁がわずかに異なるのは想定内です。
出典
- BIPM SI 文書 — 力学的な組立量に対する一貫性のある SI 単位。
- NIST SP 811 付録 B.9 — 物理量ごとに整理された慣性モーメントの換算係数。
- NIST SP 811 付録 B.8 — ポンド、オンス、フィート、インチの厳密な定義。
編集記録
SoupCalc 編集チームが執筆・確認しました。最終確認日:2026 年 9 月 25 日。